日本経済新聞がテックハブ拠点としてカタルーニャに注目

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08 Nov 2023

記事では、バルセロナを中心とするカタルーニャ州がなぜテックハブとして注目を集めているのか、その理由を探り、研究機関やハイレベル人材をひきつける能力が強調されています。

以下のニュースは、世界最大の経済新聞である日本経済新聞の記事を一部転載したものです。記事では、カタルーニャ州がテックハブとして台頭していることを検証し、ハイレベル人材をひきつける能力、そして最先端の研究機関がそろっていることが強調されています。
記事全文を読むには、 日本経済新聞に掲載された記事へのアクセス用リンクをクリックしてください。

新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せる中、世界は安心・安全な日常生活と活力ある経済活動を取り戻すために動き出している。地政学的な緊張や高インフレなど、様々なリスク要因はあるものの、デジタル化は加速度を増し、グローバル化の奔流は止まらない。そんな中、スペイン・カタルーニャ州への海外直接投資(FDI)が2022年に過去最大となった。グローバル戦略を加速させる拠点として、なぜカタルーニャ州が注目を浴びているのか、その魅力を紹介する。

「テックハブ」として注目のエリア

スペイン北東部にあり、ピレネー山脈でフランスと国境を接しているカタルーニャ州。温暖な地中海気候に恵まれ、独自文化を育んできた。首都マドリードに次ぐ第2の都市バルセロナを中心に、産業革命を経て工業化が進んだスペイン随一の商工業地域である。関東地方とほぼ同じ面積に、スペイン全体の16.4%の人が住む。スペイン産業の22.4%が集中し、州の国内総生産(GDP)はスペイン全体の19%を占めフィンランドやポルトガルを上回る。カタルーニャ州には伝統的な化学・繊維をはじめ、食品・医療・バイオ、コンピューターや通信などのIT(情報技術)、自動車など、幅広い産業が集積している。近年は技術・サービス開発のための「テックハブ」として注目され、2000社以上のスタートアップが誕生するなど、南欧最大規模のスタートアップ拠点としても人気が高い。陸海空ともに充実した交通網により、欧州連合(EU)の主要都市へ24時間以内にアクセスでき、北アフリカや中東にも近く、物流拠点としても好立地だ。世界最大規模のモバイル・通信見本市「MWC」など数多くの国際会議も開催されている。


 

ヘルスケア分野など

事業拡大に挑む富士通

カタルーニャ州が魅力的な商工業地域であることは、進出している外資系企業数の多さからも分かる。22年現在で在カタルーニャ外資系企業数は9150社に上り、ペプシコ、マイクロソフト、ダノン、ネスレ、アマゾン、フォルクスワーゲンなど、そうそうたる国際企業の名前が並ぶ。フランス、ドイツ、米国など、世界28カ国からの投資があり、新たな企業による投資が44%、既に進出している企業の追加投資が56%と、いずれも増えているのが特長だ。22年のFDIは前年比50%増の64億ユーロと過去最高を記録した。アジアからの投資も増えており、昨年は韓国の銅箔メーカーであるイルジンマテリアルズが電気自動車(EV)向け車載バッテリー用の銅箔生産工場の新設を決めている。

1980年以降、自動車や化学などのメーカーが次々と生産拠点を開設するなど、日本からも多くの企業が進出している。花王とYKKはカタルーニャ進出50周年を迎えるなど、その歴史は古い。近年ではNTTデータやバンダイナムコが研究開発拠点を置くなど、日本からの進出企業は累計で200社を超える。

富士通は、23年4月にEUが構想するスーパーコンピューティング・ネットワーク拠点の一つ「バルセロナ・スーパーコンピューティング・センター(BSC)」と個別化医療および量子分野で共同研究契約を締結した。同社は昨年バルセロナのコルネリャにある富士通スペインのオフィス内に「ヘルスケアサイバーセキュリティーセンター」を開設した。医療・ヘルスケア分野のIoTである「IoMT (Internet of Medical Things)」の導入が進む中、IoMTが病院の新たなリスクとして懸念されており、サイバーセキュリティー対策の重要性は一段と増している。そこで同センターではヘルスケア分野に特化し、医療機器などに向けた技術やソリューションの開発を行っている。富士通スペインのハビエル・ペレスサイバーセキュリティ部門長は「バルセロナでのヘルスケア分野における強力なプレゼンスを生かし、様々なサービスを提供している。サイバーセキュリティー分野における主要ベンダーとの連携やヘルスケアのエコシステムを通じて適切な知識を得ることで、リスクの分析や軽減、デバイス管理、インシデント対応を支援するサービス開発に生かしている」と語る。イノベーションに必要な最先端の情報が集まり、刺激とチャンスのあふれたカタルーニャの地で、新たな事業展開へと挑んでいるのだ。

ハイレベルの人材と研究機関がそろう

カタルーニャ州は世界トップクラスのビジネススクールと大学が輩出する優秀な人材の宝庫だ。加えて「デジタル人材が選ぶ働きたい都市ランキング」で世界5位と、ハイレベルなプロフェッショナル人材が世界中から集まってくる。カタルーニャ州政府貿易投資事務所(ACCIO)東京オフィスの木地本裕子代表は「先端技術など新しいものを積極的に取り入れるカタルーニャ人気質に加え、ウェルビーイングな生活をする伝統が人々をひきつける」と話す。カタルーニャ州政府貿易投資事務所(ACCIO)は世界40カ所に拠点があり、東京事務所はその一つである。


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テックハブを支える研究機関も充実している。BSCでは、世界トップクラスの演算処理能力を持つ「MareNostrum(マレノストルム)」が稼働中だ。欧州の中核的化学拠点である「カタルーニャ化学研究所(ICIQ)」、南欧最大のバイオ医療研究施設「バイオメディカル・リサーチ・パーク(PRBB)」などもある。またEUの資金援助機関「ERC(欧州研究会議)」が提供する助成金を最も多く獲得する地域の1つであり、新型コロナ関連の復興基金を活用したプログラムもあるなど、進出企業に対する支援制度も整っている。

「カタルーニャはイノベーション、スタートアップ、そして研究開発を推し進めるテックハブとして最適な場所」と木地本代表は訴える。カタルーニャ州政府貿易投資事務所東京オフィスは88年に海外最初の拠点として開設され、長年にわたって日本からの企業進出をサポートしてきた。進出前の各種事前調査から、現地の案内や地元企業との仲介、ビジネスプランの策定、進出後の諸手続きなどのコンサルティングまで、幅広い業務を行っている。

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